Column
今回はまず、先生方にお伝えしたいことがあります。それは…
依頼書を正確に記入することで、結果報告が速くなる場合があるということです!!
実はヒトの医療現場では予め医師が「〇〇菌感染症疑い」と検出菌の予想を立て、検査技師はこの予想を元にスピーディな検査を実現します。
細菌は種によって必要な『温度』『環境(培地)』『日数』が異なり、ある程度菌種の予想がされているとその菌に応じた検査を迅速に行うことができます。
「そんなこと言われても、なんの菌かなんてよく分からない…」
そう思った方も大丈夫です!!そのために『依頼書』があります😊
例えば『皮膚細菌検査』を依頼する場合、基本情報の他に絶対に記入してほしい箇所があります。
・検出菌(□球菌 □桿菌 □未検出)
・深在性感染ですか?(□Yes □No )
上記2つを記入していると、記入していない場合より結果報告が最低でも24時間速くなります。
皮膚疾患は大きく分けて①表在性膿皮症 ②深在性膿皮症 の2パターンがあります。
①表在性膿皮症の90%以上はブドウ球菌(Staphylococcus属)によって引き起こされます。
一方、②深在性膿皮症はブドウ球菌(Staphylococcus属)の他に、グラム陰性桿菌(大腸菌, 緑膿菌, プロテウス属菌), 偏性嫌気性菌, 等特定の菌種が原因でない場合があります。
ブドウ球菌を標的にした検査とそれ以外の菌を標的にした検査は手技が異なりますので、依頼書の当該項目を記入していただくだけで、標的を検出できる最短の方法を取ることができます。
という訳で、依頼書は可能な限り埋めて頂けると、結果をより速くお返しすることができます!!
特に抜けやすい部分として、以下が挙げられます。
・検出菌
・(皮膚)深在性感染かどうか
・(その他)部位名
検出菌はグラム染色等の検査が含まれますので、少しめんどくさいかもしれません。
しかし5分程度のグラム染色で、検査が24時間短縮されたらとてもお得に感じませんか?
グラム染色のやり方は弊社パンフレットのP13-15にも載っていますので、是非参考にしてみて下さい🍀