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2024.7.30

【 お知らせ 】血液培養検査を開始いたします。

取引先各位

平素より、どうぶつの細菌検査をご愛顧いただき誠にありがとうございます。
2024年9月1日より、血液培養検査を開始する運びとなりましたのでご報告いたします。

血液培養検査を開始した想い
私たちの願いは、
多くのどうぶつの命を救うことです。

この血液培養検査は現場の作業の手間を減らしながらも、高い精度も維持し、さらに経済的な負担を軽減することで、誰にでも利用しやすい検査を目指しました。
血液培養検査の重要性
犬や猫では、腹膜炎、子宮蓄膿症、肺炎などのさまざまな感染症や歯科処置中に菌血症が発生することがあります。

感染源が不明な場合、血液培養を行い、細菌の種類を同定することで感染源を特定する手助けにもなります。
血液培養とは
血液中の病原菌を検出し、適切な治療を行うことを目的とし、患者の血液を採取し、液体培地に入れて35℃で数日間培養する検査です。

通常、血液は無菌ですが、微生物が侵入すると「菌血症」となり、全身に感染が広がり「敗血症」を引き起こすことがあります。
敗血症の治療には、原因微生物を特定し、有効な抗菌薬で治療することが重要です。

低コスト

弊社では、2セットご依頼いただいた場合でも1セット分の料金で検査いたします。
血液培養検査の精度を高めるために、複数セットの採取を推奨しております。

通常、血液培養検査では好気ボトルと嫌気ボトルの1セット2本の採取が必要ですが、弊社のシステムでは1セット1本で済むため、ボトル料金が低く抑えられます。

簡便な検査

弊社で提供する血液培養ボトルは1本で好気検査と嫌気検査の両方が行えます。

少ない採血量

一般的な培養ボトルは1本あたり5mL以上など採血量が多い中、弊社提供の培養ボトルは1本あたり1mL以上を推奨しています。
※血液中の菌量は約5CFU/mLとされており、採血量が0.1mLでは菌が検出されない可能性がございます。

嫌気検査無料

血液培養検査では嫌気性菌が検出されても追加費用いただくことなく検査可能です。
※ 培養ボトルは1本あたり1,000円+税(貴院負担)送料は弊社負担

1. 陽性率の向上

複数セット採取することで、病原菌の存在を検出する確率が高まります。

特に菌血症/敗血症の場合、一回の採取では検出できない場合がありますが、複数セットを用いることで1セットに比べて、19.5%上昇したという報告があります。

📎 引用文献
Natanel Neumann,et al.Are multiple blood cultures advantageous for canine patients?JVetDiagn Invest. 2023;35:332–335.

▼ 例

【 急性の発熱性疾患 】
異なる部位から2つのセットを採取します。

【 急性⼼内膜炎 】
異なる部位から3セットを採取します。

2. 偽陽性の鑑別

コンタミネーション(汚染)による偽陽性が問題となることがあります。

複数セットのうち一部だけが陽性であれば、汚染の可能性が高いと判断できます。複数セット全てが陽性であれば、真の感染の可能性が高いと判断できます。

2024年8月1日 株式会社1sec. どうぶつの細菌検査