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2022.9.15

第十七回:再確認!!検体のベストな梱包方法!!

閑話休題🍵という訳ではありませんが、今回はトラブルの多い「検体の梱包方法」についておさらいしていきたいと思います。
検体の安全な輸送には、①採取資材と②梱包材の組み合わせが重要になってきます。
各資材の耐久性をおさらいして、破損リスクを最小限にしましょう!

①採取資材の耐久性について

検査資材には大きくわけてスワブとスピッツ管があります。耐久性はスワブ>スピッツ管です。

スワブの注意点はキャップが開かないようにすることです。キャップが空いてしまうと空気が入ることで菌の状態が乱れたり(⚠️好気性菌が過剰に増える、嫌気性菌が死ぬ、など)、コンタミネーションが起こり得ます。セロハンテープやパラフィルムを巻き付けてキャップを固定すると安心です。嫌気検査を希望する場合は特に注意して固定してください。

スピッツ管はスワブよりも『キャップが開きやすく』、『容器が割れやすい』です。このため、以下の点に注意してください。
・キャップをしっかり閉める
・パラフィルムで固定する(※セロハンテープは伸縮性がなく、液体漏れに弱いです。なるべくパラフィルムを巻いてください!)
・ジップロックなどの袋に入れる(※漏れてしまった場合も品質は下がりますがリカバーすることができます)
・緩衝材を巻き付ける
・梱包材を箱にする
また、弊社から提供しておりますスピッツ管は、蓋がスクリューキャップ式となっており、栓式よりも漏れにくいタイプとなります。ぜひご活用ください♪

②梱包材について

梱包材は『箱』『クッション封筒』『封筒(※皮膚の場合のみ)』があります。

結論から言いますと、『箱』が一番安心です。

箱、特に段ボール箱での郵送は一番破損が少ないです。スピッツ管は破損しやすいため、箱での輸送をお願いします。

次にクッション封筒は箱には劣りますがある程度の強度があります。スワブの輸送は箱がベストですが、クッション封筒もベターな選択肢と言えます。

最後に封筒(※皮膚の場合のみ)ですが、強度的には一番頼りないです。とはいえスワブ自体にかなりの強度がありますので、キャップの固定に注意すれば破損リスクを下げることが出来ます。また皮膚検査のメインターゲットは犬の膿皮症で、ブドウ球菌の検出を想定しています。猫の検体やブドウ球菌以外の細菌感染を疑う場合は、箱やクッション封筒を用いて冷蔵でお送りいただくことをお勧めします。

安全な輸送にはコストがかかりますよね。ですが、正確な検査結果をお届けするために皆様のご理解とご協力をお願いいたします🙇